前日に「神奈川は桜が満開」という報を受け、
次の日の朝、5時過ぎにはバイクに飛び乗っていた。
降水確率100%の雨にも関わらず。

どうしても、散ってしまう前に見たい桜があったから。





よかった。今年は散る前に見ることができた。
 

「箱根ターンパイク」という有料道路をご存知だろうか。
 現在ではMAZDAが命名権を取得し、「MAZDAターンパイク箱根」が正式名称。
小田原から箱根を結ぶ、約16kmほどの道路である。
私が走ったのは、「箱根小田原本線」という区間。約14kmの道のり。

昨年のGW頃にここを走った際、ちょうど桜は散り際だった。
道路一面に花びらが敷き詰められており、
そこに車両を走らせると、一斉にブワッと花が舞う。
これは花が散る前に来れたなら、さぞ美しい光景だろうと。
来年は散る前に絶対来ようと。そう胸に誓った桜であった。




小田原側の料金所。
あいにくの天候。普段であればこの時点で小田原・箱根の山々の景色を楽しめるのだが、
ガードレールの向こうはひたすらに霧。



ちなみに、料金所を抜けてすぐに工事のため片側通行。
この工事は7月いっぱいまで実施しているようなので、通行予定のある際は留意のこと。




 改めて、走り出す。
当然景色もへったくれもない。
それどころか、自分の進行方向さえも危うい。


 
何せ、霧で道路の先が見えないのである。
昨年、富士を走った時の感覚にも似る。
あの時も、霧で前方の車両が見えないくらいだった。
万一、対向車線の車が突如目の前に現れたら。
万一、後方を走る車両がこちらに気付かずに速度を上げてきたら。
あらゆる事態を想定しながら、命がけで走る。



出迎えてくれた桜の下に、車両を避難させる地帯があったため停車。
まだ散ってはいない。
それどころか、未完成ささえ感じる、桜のトンネル。



雨の中の桜のトンネルを、ひたすらバイクで滑走する。
晴れていれば最高だっただろうなと、何度も呟きながら。



霧の先の道がどうなっているのかわからない。
それでも、見上げれば桜が咲いていると、なんとなく安心する。


 
景色が一気に拓けた。
同時に絶望する。先が見えない。



山頂付近の桜は、まだ蕾のようだった。
確信した。来るのが早すぎたんだ。



展望スポットにて休憩。
山々が「こんな天気の日に何を展望しにきたんだ」と囁いて来る。



辿り着いた終着地点、「MAZDAスカイラウンジ」
こんな天気の日に、二輪車でここにくる酔狂な者が居るわけもなく。



時間帯的には朝食なのだが、
温かいものを食べたかった私は、迷わず「マグマカレー」を注文。
(麺ものの店が営業時間外だった) 
カレーとチキンの辛さと、チーズのカロリーが骨身に沁みる。
雨風に曝されての強行は、意外と身体に堪えていたらしい。





かくして、私の桜を巡る一連の旅は、一旦の幕引きとなる。
山間部は気温が低いせいか、
報道の開花宣言からかなり遅れての開花となる見込みであることがわかった。
諸々の都合が着くようであれば、今春、また桜を求めて旅に出たいものだ。