公開初日に、映画「ReLIFE」を観ました。






comicoで連載中の原作のファンなので、
その視点で感想を書いていきたいと思います。

よかったことを挙げていこう



とにかく日代さん(平祐奈さん)が可愛いです。
見た目や平時の振る舞いは「いたよ!クラスにこんな感じの女の子!」といった感じ。
作り笑顔の「ニタッ☆」もちゃんとドン引き出来るレベル(でも愛嬌がある)。
自然に笑った際の笑顔がホント素敵。

あと、夜明さん(千葉雄大さん)の演技もGOOD。
ひょっこり現れて、ひらひら歩いて、意味深な笑顔で。
「ああ、現実に夜明さん居たらきっとこんなだわ」と思わせてくれる挙動。
ストーリーの都合上(後述)、あまりメンバーとの絡みがなかったのが残念ですが……


あと、ラストカットは色々含みを持たせた終わり方で大変好感が持てました。
若干「君の名は」のオマージュなのかぁ、といった感じがありつつ。
でも実際のところどうなのかは、見た人に委ねられる感じ。



原作との相違点



以下、ネタバレを含むので、気にする方は映画鑑賞後に読んでください。


原作ファンだと、どうしても脳内でコミック版とのストーリーを比較しながら見てしまいます。
その中で、私が特に気になった原作との相違(というか主に原作から削った箇所)を羅列します。

・母親から「仕送りを打ち切る」旨の電話無し。
 (そもそも両親が出てこない)
 (代わりに「督促状の郵便物」など、原作には無かったが「金に困っている」旨の記号あり)

・「見た目は若返っても身体機能はそのまま」という設定説明なし
 それに伴い、「見た目男子高生でも中身はおっさん」感は薄くなる

・大神の運動音痴設定なし

・小野屋が普通の女子高生
 当然研究所等とのシーンで夜明との絡みなし
 日代の担当交代も無し
 かつ、狩生の親友ポジション(玉来の役割をほぼ喰ってる)
 ちなみに軽音部所属で、劇中で「天体観測」の演奏シーンあり
 この設定にも関わらず海崎とは追試コンビになるので、本当に頭が悪いらしい

・朝地、犬飼、玉来の出演無し
 それに伴い、狩生が部活関係で悩むお話は丸々カット

・休日に海崎宅で勉強会をするシーンで狩生も参加
 ちなみにこのとき「MD」及び「MDウォークマン」がロストテクノロジーとして話題に
 これをきっかけに、小野屋が文化祭で「天体観測」を演奏することとなる

・階段から転落するシーンにて
 >海崎が狩生を庇う描写無し
  これにより、この時点では日代は海崎に対する恋心に気付かない
 >転落シーンの目撃者は多数のモブ
 >なのに日代はちゃっかり自分のカバンを回収している

・「頑張ることを諦めるな」という海崎の台詞が、佐伯の言葉の受け売りということになっている

・海崎の会社員時代の勤め先の後輩の出演なし
 代わりに佐伯の妹が出演
 後輩が出演しないため、大神が狩生への恋心に気付く展開が若干無理矢理(後述)

・墓参りの言い出しっぺが夜明
 というか命日をだいぶ過ぎてから敢行

・佐伯の死因が駅のホームへの転落による人身事故
 後に、身投げではなく事故だったことが発覚
 [追記]死因変更に伴い「海崎は首が弱い(ネクタイが締められない)」という設定無し
 これにより、キービジュアル等で海崎はネクタイをキッチリ締めている

・花火大会は雨天により中止

・学園祭の委員選出の描画なし
 これに伴い、海崎による日代のワンマン気質の更生は行われない
 というか日代のワンマン気質については一切触れられない

・日代のリライフ2年目続行について、日代から志願している

・以降のストーリー(受験・卒業旅行・卒業後の描写)は、原作の時系列を越えているので割愛




もやっと3選の目次



ストーリーを映画の尺に納める都合上仕方なかった面は多分にあると思いますが、
それにしたって個人的には物足りなさを感じた部分が、以下の3点です。

・大神はそんなことしない問題

・夜明さんの苦悩の掘り下げが浅い問題

・海崎のトラウマ発現理由がマイルド過ぎる問題


以下にて順に見ていきましょう。




大神はそんなことしない問題



原作の大神とは別人物だと思った方が精神衛生上良いです。

確かに始めの方は鈍感キャラっぽい素振りはあるのですが、
狩生への告白を「みんなが見てる前で」「堂々と叫ぶ」あたりで、
原作ファンとしては「おやぁ?」となります。

「大神はそんな恋愛映画みたいなことしねぇよ」と。

原作での大神の告白シーンって、
「鈍感」かつ「恋愛経験・知識ゼロ」の大神だから、ああいう告白になったわけで。
告白シーンについては、一旦原作の大神のキャラ設定は忘れましょう。
ただの「チャラい同級生」くらいの目線で見た方が無難です。

また、卒業旅行のシーンにて、
海崎が詰め込みまくったスケジュールのせいで、後半ひたすら走ってるのですが、
(「青春映画だからとりあえず若者走らせとけ」みたいな風潮を若干感じつつ)
ここでも原作ファンは「おんやぁ??」となるわけです。

「運動音痴の大神がそんな走りっぱなしで居られるわけないだろ!!」と。

これに関しては海崎も同様で、中身はおっさんなんだからずっと走りっぱなしは無理があります。
この旅行シーンに関しては、登場キャラがReLIFEのキャラである必要がありません。




夜明さんの苦悩の掘り下げが浅い問題



「海崎と絡めることで、日代のリライフも成功させたい」という、
夜明の思惑というか、思いというか。
原作側で感じた、夜明の「観察者」としての苦悩の描画が、本当に少ない。
それに伴う、夜明自身の成長という描画が一切無いです。

これに関しては、原作では小野屋が代弁してくれる箇所が多くあるので、
今回、小野屋を研究所サイドから外した弊害がここに出てきていると思います。

あと、卒業旅行のシーンにて、1時間に1本しか来ないバスのバス停に、
海崎と日代を意図的に置いていくシーンにて、夜明もその策に加担しているのですが、
原作ファンとしては
「いやいや、それだと観察できないじゃん!「海崎あるところに夜明あり」だろ!!」
となってしまう。



海崎のトラウマ発現理由がマイルド過ぎる問題



個人的に一番納得行かなかったストーリー変更がここ。

海崎のニート化理由って、
・職場で尊敬している先輩(佐伯)がイジメに遭っていて
・それを、イジメている当人たちに「やめろ」と言ったことによりイジメが悪化し
・結果、先輩が職場で首を吊って死んでしまい
・それを海崎自身が第一発見者になり
・にも関わらず、会社の人間は先輩の死を悼まず
・それを見て「こんな会社狂ってる!」と勢いで退職する

という、読者側からしたら
「ああ、これは人間不信になってニート化しても仕方ないわ」
「むしろここからよく立ち直ったわ」
と思わせてくれるほどの重い設定なのです。

一方の映画のストーリーは、
・職場で尊敬している先輩(佐伯)がイジメに遭っていて
・それを海崎が上司に密告したところ
・先輩が他部署に異動するという措置を取られ
・後日、「佐伯が死んだ」「人身らしい」「自殺なのでは」という噂を耳にし
・「俺が余計なことをしなければ……」と思い悩み
・いつの間にか会社を辞めている(辞める描写は無し)

という、原作に比べて、至ってマイルドな感じ。

個人的には、モノローグ中に海崎に先輩の自殺現場は目撃してて欲しかった。
そうでないと、「ReLIFE被験者」に選ばれたという根拠が薄くなってしまう。

仮に、自殺現場目撃のシーンを入れることによって、
映画そのものの視聴に年齢制限がかかる懸念があったとしても、
やっぱりここの「海崎が抱えるトラウマ」のシーンは、きっちり描写して欲しかった。

これがあるのと無いのとで、ReLIFEが
「ニート更生プログラム」
ではなく
「若返り薬を使っての高校生疑似体験によるリフレッシュ休暇」
という印象になってしまう。
それくらいに、この「トラウマ」の描画、
ないし、それを乗り越えていく過程に、しっかりとした裏付けが出来るのでは、と。

映像化に伴い、ここを削られてしまったことにより、
「ああ、俺の持つ海崎のキャラクター像の核はここにあるのか」と、
改めて気付かされました。
そういう意味では、いい経験だったのかもしれません。



結局、誰向けにオススメなのか




ひとつ、印象に残ったシーンを挙げておきます。

卒業旅行での
「俺は日代さんのこと忘れないよ」
「私も海崎さんのことは忘れません」
というやりとり。

ここがあったかなかったによって、映画の評価はガラッと変わったと思います。
この台詞があることで、原作ファンとしては救われたというか、
「ReLIFEという物語が抱える爆弾はここにあるんだよ!よく言ってくれた!!」と思いました。
多分、このシーンが無かったら、私はこの映画をボロクソに叩いていたと思います。

そういう意味では、原作ファンにとっては、ちゃんと観れる作品だと思います。

原作を観ていない人については、やっぱり20代後半〜30代前半向けなのかぁ、という感じ。
「今もうだいぶ老け込んじゃったけど、キラキラしてたあの頃に戻りたいなぁ」と、
漠然と思っている人には、いい刺激になるんじゃないでしょうか。

逆に、現役の高校生などに対しては、
おっさんのリフレッシュ休暇をひたすら見せられるだけなので、
「おっさんが何か偉そうなこと言ってるよ」という印象を受けるかもしれません。 

なので、結論からすると、この映画は
「原作ファン、または20代後半〜30代前半の大人向け」
ということになります。



編集後記




映画の感想書くのって難しいですね。
私自身、あまり映画はたくさん観る方では無いので。

色々書きましたが、映画自体は楽しく観させて頂きました。
原作関係者の皆様、並びに実写映像化に携わった皆様。ありがとうございました。