事業構想_201706

私がやろうとしている事業の構想の一つに、
「小中高校生を対象にしたICT教育」を掲げています。

これは、収益性を重視した事業ではなく、
あくまで、地域に溶け込み信頼を得るための事業と位置付けています。

さて、7/9(日)に、私がICT教育の事業モデルにしようとしている、
「ジュニア編集局」という、
「こども達で、こども達のための新聞を作る」という趣旨の活動を見学させて頂き、
仕掛け人の方々にお話を聞くことが出来ましたので、
簡単にですがレポートを書いてみます。

(ご本人達からブログ掲載の許可を頂きそびれたので、
 具体的な組織名等の明記は差し控えさせて頂きます)
主にこんなことを聞きました
・事業発足の経緯
・活動の現場について
・活動の経費・設備について
・活動の費用対効果について(という名のその他情報)

例によって箇条書きです。

事業発足の経緯

・もともと、「メディアをつくるこども達」といった事業構想があった
・フルーペーパ「R25」に対する「U19」を作りたかった(U=Under)
・そこに、市政・区政の節目の年が重なり、何か記念事業としていい案が無いかと、
 行政側からのオファーがあり、企画を持ち込んだ
・そうして、初年度は、補助金がおり、活動がスタートした
・従来、こども達が、自分たちの街について考える機会がなかった
・また、こども達が、自分の意見を表明する場がなかった
・そこで「メディア発行」という「大人の仕組み」にこども達を巻き込むに至った

活動の現場について

・スタッフ構成は、かなり少人数で回している
・主要ファシリテーターが1名
・裏方の連絡・調整の係が1名(CRMシステムを活用)
・状況に応じ、運営母体となるNPOから補助スタッフを数名補填
・記事の編集(電子化)はテレワーク人材を活用
・紙面発行は外注(協賛により費用かからない)
・これらのスタッフで、ジュニア記者70名を相手にしている
・ジュニア記者の役割としては以下の通り
 - 記事にする事柄のテーマを決める
 - そのテーマの中で、何を取材すべきかを掘り下げる
 - 実際に取材に行く
 - 取材の結果を報告する(取材結果、感想など)
・つまり、「企画」はこどもが実施する。
・企画を実行するための「計画」や「根回し」は大人が担当する
・この「両輪」の関係で、本活動が成り立っている
・ジュニア記者の活動の補佐として、近隣大学の研究室の学生の助力を得る
 (学生は、ジュニア記者の成長や行動を研究対象としている)
・ジュニア記者間の情報共有ツールについては、運営・管理を上記の大学生が担う
・本活動において、大学との協働は大きな意味がある
・スタッフの確保はもちろん、こども70人を収容でき、かつPCを貸与できる設備は、
 大学以外に考えられない
・仮に、現在協働している研究室が何らかの理由で協力できなくなった場合は、
 活動の方法を大きく転換する必要がある
・逆に、大学としては、参与観察研究のフィールドとして重宝している
・大学とNPOの関係もまた、「両輪」で成り立っている

活動の経費・設備について

・今年(8年目)、初めて赤字が出た
・こども達からは、活動保険料の500円のみを徴収している
・その他の活動費は、以下から得ている
 - 保護者等からによる寄付金
 - こども新聞に掲載する広告費
  →こども新聞は、校長会の承認を得て、地域の全学校に配布される
  →そのため、塾(学校教育と競合)やパチンコ店などの広告の掲載は出来ない
 - 行政機関からの助成金・補助金
  →こどもに関する補助金は審査がおりやすい
  →ただし、用途が限定されている(飲食物購入NGなど)ため、
   「どの補助金を何の費用に使ったか」は細かく管理する必要がある
・支出は主に人件費
 - 人件費の捻出は常に悩みのタネになっている
 - 新聞の印刷費は協賛という形で免除頂いている
  →本来であれば30〜50万はかかる試算
 - 取材や事前ミーティングなどの同伴スタッフに、¥1,000/H +交通費の支払いをしている
・今後、広告営業は積極的にやっていきたいと考えている
 - スポーツジムなどであれば相手取れる可能性は十分にある
・現状は寄付金等でまかなっているが、今後は会費制も検討している

活動の費用対効果について(という名のその他情報)

・こども達の成長については後述する
・地域の全学校に配布されるため、それを見たこどもが「自分もやりたい」と応募が殺到
 - 地域の小学校は22校、中学校は8校
  -小学校1校600人、中学校1校900人とすると、13200+7200 = 20400人/年1回に配布
 - ジュニア記者のボリュームゾーンは小学4年生
  - 小学1年の時点で「4年生になったらこの活動出来るんだ!」と心待ちにしているこどももいる
・もともとの募集枠40名に対し、70名の記者が居る
・ただし、これだけ応募が殺到するのは「ニュータウン」という地域性による可能性がある
 →人間力的な教育の重要性を感じている保護者が多い?
 →他の地域で同様のことを実施しても、記者が集まらず断念となった事例もある
・ファシリテーターとしては、「指導・教育」といった感覚は無い
 - 最低限の情報リテラシーや、伝わりやすい文章の書き方などは、研究室が情報提供する
 - NPOスタッフ一同は「先生」ではない
  →積極的に「背中を押す」「方向性を示す」「サンプルを示す」ことはする
  →これらをもとに、決定権は常にこども達にある
 - サンプルを示すことで、「良いものを見る目」を養っている効果はある
 - 「教える」のではなく「示す」ことで、視野を広げてもらう


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こども達の、活動への参加による変化

「人の話を聞くときに、メモを取るようになった」
「ノートの取り方が向上した」
こうした声を、保護者からも聞く。
→私「もうこれは習い事なのでは」
 
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最近の地味な悩みのタネ

「地域アクターの活動を始めた子達が、ジュニア記者の活動に帰ってこない」
・地域アクターとは、こども達による、街に直接影響を与えるような活動をする集団
・具体的には、商店街活性化のために、コンサルし、企画を練り、実行する
・「こどもが街にくるような仕組みを、こども達が考える」場
・こどもが主役となり、こどもをこども扱いせず、
 大人、こども双方のいいところを取っていき、相互理解を深め、街に協働参画する
・この活動により、実際に活性化した商店街が多く存在する
・こどもにとっては、自分たちの活動が街に影響を与えたという達成感が強い(推測)

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こどもは、地域にもっと関わりたい。
こどもは、自らの意思で社会を動かしたい。
こどもは、大人が思っているほど、こどもじゃない。

私は最近、よく「志」とか「パッション」って言葉を使うのだけれど、
こどもの時点でこうしたパッションを持っていることを熟知し、
それを活かせる場を提供してあげられているというのは、
社会的に大変意義のある活動だと思いました。

こうした活動を、自分が活性化させたい地域でも当然やってみたい。
ただし、この地域での方法論を丸々輸入したところで、
うまくいくという保証はない。

地域性をちゃんと見て、そこにあった地域への入り込み方をして、
信頼を得て、初めて実現することであり、
このNPOさん自身が、地域貢献活動を長らく続けて、
着実に信頼を積み上げていった方々だからこそ、導入できた事例でもある。

活動のなかから信頼を得るか、信頼を得てから活動に踏み切るか。
このあたりは、自分の事業計画としてどうしていくか、考えねばならないと感じました。