
1/14(日)に、吉祥寺にて開催されたイベント、
『第3回みんなでつくるバリアフリーマップ〜吉祥寺まち歩きイベント〜』
こちらに参加しました。
イベントの内容としては、
車椅子ユーザのみなさんと、自身も車椅子に乗りながら、
街を散策し、バリアフリー情報(及びバリア情報)を地図アプリに収集する、
というものです。
使用したアプリについては、以下の記事にざっくり説明しています。
(このアプリの制作会社さん主催のイベントです)
当日は、国交相の方がいらっしゃっていたりなど、
なかなかに注目されているイベントのようです。
事前申し込みが必要(しかも登録時点で満員御礼)のイベントにも関わらず、
あろうことかその事実に気付いたのがイベント開催日の3日前だった私ですが、
当日、ゲリラ的に受付にて拝み倒して、見学枠→キャンセル発生で班配属と、
神対応を頂きました。本当にありがとうございます。ご迷惑をおかけしました。
本当に、色々なことに気付かされるイベントでした。
順を追って書き綴っていこうと思います。
我々の、「吉祥寺まち歩き」というテーマをガン無視した、
「聖地巡礼」の旅路について−−−
聖地1・"子鉄"の聖地、三鷹車庫
「どこに行きたい?」と班のメンバーに投げかけたところ、最年少の男の子から「三鷹の車庫が見たい!」とのリクエスト。
この子はどうやら電車が好きらしい。
彼のような「こどもの鉄道ファン」のことを、巷では「子鉄」と呼ぶとのこと。

班ごとに配られた「ミッションビンゴシート」の中に、
「電車 or バスに乗る」とのお題が。
吉祥寺から中央線に乗って三鷹に移動することで、達成出来そう。
ということで、第一目的地が決定。

吉祥寺の商店街のメインストリートは広く、
お昼前の人混みでも、正面から軽自動車が来ても、
意外と車椅子での移動は余裕そうな印象ではあった。

三鷹駅から「聖地」へと向かう道。
歩道は、電柱に阻まれると車椅子1台分の道幅しかなく、
車道は一本道かつバス通り。
とっさの場合の逃げ場がなく、介助者抜きでの通行はハードルが高い。

途中、歩道と車道の境界から「段差」が消えた。
ガードレール的なオブジェクトこそあれ、
これなら、とっさに対向者を避けたりなどの対応を取りやすい。
歩道と車道の境界はフラットな方がよいのかもしれない。

子鉄の聖地である、車庫が見下ろせる陸橋。
この日、多くの親子連れが、その景色を楽しんでいた。
しかし、ここは陸橋である。

陸橋に上がって景色を楽しむには、階段を昇らなければならない。
陸橋自体はかなり古い時代に出来たものらしく、
「バリアフリー」の「バ」の字もないような状況だ。
結局、車庫を楽しんだのは、目的地をここに定めた男の子のみ。
車椅子では、橋の上の景色を楽しむことは出来ないらしい。
日々、こうした小さな「諦め」を繰り返しているのだな、という気付きを得た。
聖地2・オリィ研究所
今回使用している、バリアフリーマップアプリ「wheelog!」。その運営に携わっている、吉藤オリィ氏の研究所が、
三鷹と吉祥寺の間にあると聞きつけた我々は、
そこで集合写真を撮ることにした。

オリィ研究所は、このマンションの一室に所在するらしい。
看板などが出ているわけではないので、知る人ぞ知る聖地と言えよう。
なお、集合写真の掲載については、班員のプライバシーの観点から割愛する。
また、吉藤オリィ氏が何者なのかは、別途記事を書き起こす予定だ。
「予約不要」の電車移動
吉祥寺駅から三鷹駅へは、JR中央線を使い移動する。
乗車時、電車とホームの間が広く空いており、
車椅子利用者だけで乗るのはなかなかに至難の技だ。
我々が苦戦していると、駅員が駆け寄ってきて介助してくださった。
我々の班に所属する、普段から車椅子を利用している方。
彼は今回、新潟からやってきた。
曰く、「新潟で車椅子で電車に乗るときは、
駅員に補助をお願いするために予め電話予約する」とのこと。
こうした、とっさの助けが得られるのは、都市部の強みなのだろう。
同時に、地方での車椅子生活は、本当に大変そうだと思った。
エレベータ・ダイバーシティ
今回の街歩きで、たくさんのエレベータに乗った。立地の事情等あるだろうが、ここまでエレベータという乗り物は多種多様なのかと驚いた。

前後方向に2台、余裕で収まるもの。

1台乗るのがやっとのもの。

ベビーカーと併せて、横方向に2台乗れるもの。
本当に様々だ。
多目的トイレを巡る奔走
昼食を三鷹のアトレのレストラン街で摂っていた。
移動前にトイレ休憩を挟もうとしたが、
レストランフロアに多目的トイレが無い。
これも、建物が古いことによるものなのだろうか。
フロアマップを確認したところ、
1階に多目的トイレがあるとのことで、降下。

エレベータを降りると、何故か我々は建物の外にいた。
どうやら介助車両用の駐車場らしい。

多目的トイレは、扉を挟んだ内側、建物の中にあるらしい。
しかし、目立つ案内が無く、我々はしばらく戸惑ってしまった。
百歩譲って、レストランフロアに多目的トイレが無いのは仕方ないとしよう。
しかし、無いなら無いなりに、利用者が迷わないように動線をしっかり引いて欲しい。
そんなことを、この一件で考えた。
トラップ・トラップ・トラップ
街歩きの最中に遭遇した、その他のトラップについて一挙に紹介しよう。
一見、バリアフリー対策がなされているように見える、
歩道と車道の間の微妙な傾斜。
普通の車椅子だと問題なさそうではあったが、
車種によっては、車椅子の乗車時に足を置くステップが引っかかってしまう。
これは、インフラの問題というよりは、車椅子側の問題なのかもしれない。
曰く「ステップが高いと足の位置が高くなり、疲れる」とのこと。
これは対策として「ステップを下げる」だけで無く「椅子の高さを上げる」対策が必要か。

切符売り場、もう少しユーザビリティが考慮されないものだろうか。
車椅子からでは、とても操作しづらそうだった。
とはいえ、ICカードリーダ時代になってから久しいので、
ここにコストを割くのはあまり得策では無いのだろうか。

公園の歩道の舗装が剥がれている。
歩行者にとっては、なんてことないことだろうが、
車椅子・ベビーカーユーザーにとっては死活問題であろう。

井の頭公園の入り口の車止め。
なんでも無いように見えて、間隔が狭く、車椅子ぴったり一台分。
公園に出入りする際に、慎重な操作が求められることになる。
車止めの配置の間隔については、何かしらの規定は無いものなのだろうか。
* * *
課題評価と過大評価
そんなこんなで帰還し、振り返りおよび、班ごとの発表タイム。冒頭の「ミッションビンゴシート」を全達成。
加えて「wheelog!」に対する情報登録も多く、
(競うことが目的のイベントでは無いにせよ、)
我らの班はトップの成績を収める結果となりました。
そして、イベント開始時に特に説明のなかった「個人賞」の結果発表。
なんと「スポット登録」「つぶやき投稿」「総合成績」で、
私が三冠を獲得してしまうという事態に。
飛び入り参加者が出しゃばってしまい、若干の申し訳なさ。
やったぜ pic.twitter.com/wobTM7mjug
— y_kobayashi(KOBA) (@KOBA5884) 2018年1月14日
副賞として、色々頂いてしまいました。
今ってノベルティとして5000mAのモバイルバッテリーを作って渡せるんだな...... pic.twitter.com/1f5vU6tMYV
— y_kobayashi(KOBA) (@KOBA5884) 2018年1月14日
景品で台湾の2018年カレンダーを頂いたのだけれども、祝日が日本と違いすぎて使い物にならなくて一人で爆笑している。 pic.twitter.com/rCPlmLibib
— y_kobayashi(KOBA) (@KOBA5884) 2018年1月14日
総じて、とても楽しいイベントでした。
次回があれば、ぜひ参加したいです。
#wheelog 吉祥寺イベント参加者及び関係者の皆様、本日はおつかれさまでした!
— y_kobayashi(KOBA) (@KOBA5884) 2018年1月14日
「街を新たな視点から切り取る」という面白い試みだと思うので、今後もこうしたイベントを継続的に開催してほしいです。
あと、純粋に車椅子ユーザの皆さんが外に出る良い動機付けになると思うので!
「wheelog!」については、春から始める自分の事業とも絡ませたいな。
「ICT×地域情報」の教材として、十二分の魅力があるので、
引き続き愛用させて頂くことになると思います。