画面は開発中のものです

人生とは、永遠のβテストだ。






[注]
このページは、2018/3/13時点で公開中の映画
「さよならの朝に約束の花をかざろう」(以下、"さよ朝")に関する、
考察らしい考察は特になく、中途半端にネタバレ要素のある能書きです。
「映画をこれから見る予定だけど、事前に情報を仕入れたく無い」という方は、
今のうちにページを閉じることをおすすめ致します。

上記に該当する方にご退席頂く間に、
私の"さよ朝"に関する一連のツイートを並べておきますね。












はい。
もう本編入って大丈夫でしょうか。


"さよ朝"、ストーリーを超絶ざっくり要約すると、
「"不老長寿の種族"の少女たちが、"人間"のこどもを育てたり産んだりするお話」です。

雰囲気的には、一時期twitter上で話題になっていたハッシュタグ、
「#魔女集会で会いましょう」を映像化したような、そんなお話。

[参考]



余談ですが、当該タグ、発祥は以下のツイートのようです。



本作の主題に「母」が挙げられますが、
ここへの考察については、以下の記事を紹介するに留めておきます。


「マキア-エリアル」の関係性の描写はかなり為されていたので概ね満足なのですが、
「レイリア-メドメル」については、物語進行に伴う状況説明の枠に留めてしまった印象で、
「二人の母」を描写することを主眼に置くと仮定した場合に、
後者に関してもっと尺を使ってほしかったな、というのが個人的な感想です。
きっと円盤でディレクターズカットと称して補完されるはず。知らんけど。

 * * * 

さて。
本作、男性キャラも結構出てくるのですが、
なんというか、男性の私からみても、主要男性キャラにあまり感情移入出来なかったなぁ、
というのが、正直なところでした。

ここでいう"主要男性キャラ"は「エリアル(戦争時)」及び「クリム」の両名。
「彼らの"戦う理由"について、理解は出来るけど納得できない」
みたいなひっかかりを、ずっと感じていました。

その他の男性陣の立ち回りについては、かなり腑に落ちています。
物語・世界観の案内人であり、"二人の母"の導き手としての「バロウ」「イゾル」。
マキア、エリアルを、ミド共々支えて来た「ラング」「デオル」。
これでもかというほどにクズっぷりを発揮した、
わかりやすいヒール役である「メザーテ王」「ヘイゼル王子」。

周囲の「大人の男性たち」が、しっかりそれぞれの役割を果たしているからこそ、
先の二人の「若さ故の暴走っぷり」に対してツッコミを入れたくなるというか。

まず「エリアル(戦争時)」。
メザーテ国が連合軍に攻め込まれた際に家を飛び出して前線に出ますが、
そこは今にも赤子が産まれそうというディタの側について守ってやれよ、と。
御国のために体張るのもご立派だけどさぁ、その隙に妻子に何かあったら元も子もないというか、
何より、エリアル自身が戦死した場合に遺された二人はどうするんだ、というか。

まぁ、この思考はだいぶ個人主義的というか、
兵役に就いている以上致し方ない面もあったとはいえ。
家族を守るために、もっと別の手段も取り得たんじゃないかなぁ、という、もやっと具合。

そして「クリム」。
彼は自分の信じるもの、守りたいものを奪還するために、
その対象すら傷つけて無理心中まで図っちゃう。
自分の中にある「こうあるべき」というものに対し、
「仲間だと思っていた人たち」がどんどん先へ先へ行ってしまうのだけれども、
「置いていかれた」という自覚はありつつ「間違っているのはお前らだ!」と言い放つ駄々っ子。

レイリア奪還のために行動を共にしていたイオルフ諸兄こそ居たけれども。
多分、作中に彼を救える人は居ないんじゃ無いかな。
彼自身が色々悟らないと、彼含めた全員が幸せになることは無いのだけれども、
本人が変わる意思がない上に、周りはどんどん「成長」してしまうものだから、
"時間"すら彼の敵に回ってしまう。この物語の一番の被害者はクリムなんだろうな。

 * * * 
そんな二人に送る、ラング師団長からの有難いお言葉。
「餓鬼だな。」

まぁしかし、彼らが"餓鬼"として振る舞い通したからこそ、
主題たる"二人の母"の強さが際立ったというか。
そういう意味では、彼らの餓鬼さ加減が、上手いこと物語を回していってくれたんだろうな。

 * * * 

先日「戦国無双 真田丸」のメインストーリーをクリアしまして。
(私がプレイしたのはNintendo Switch版ですが)

遊んでいて思ったのが、戦国時代って
「己が信念のために戦う男性たちと、それに振り回される女性たちの物語」
なんですよね。

ただ、振り回される女性たちも、彼女らなりの気丈さというか、芯というか、
そういったものがあった上で、それぞれの時代を生きている。

"さよ朝"で描かれていたものの一部と、奇しくも重なるものがあるなぁ、と。
多分、主題はそこではないのだろうけれども。

 * * * 

最後に、感想らしい感想を書き綴って終わろうと思います。

月並みな言葉で恐縮ですが、素晴らしい作品でした。
鑑賞1回目ではシクシクと、2回目にはボロボロと泣かせて頂きました。
「予測可能、回避不可能」という言葉がドンピシャに来る物語です。
美術・音楽ともに「映画館で観れてよかった」と思える作品でした。

また、何かの折に思ったこと、感じたことを書かせて頂きたく。
この物語に出会えたことを幸せに思います。
スタッフのみなさま、ありがとうございました。

執筆者プロフィール

KOBA / KOBA5884 / 小林佑輔

1987年生。青春時代及び社会人経験の初期を神奈川県で過した後、2018年5月、福岡県うきは市に移住。

システムエンジニアとして食い繋ぎつつ、そこで培ったスキルを地域貢献に活かせないか模索中。

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