## 2025年問題という現実が、すぐそこまで来ている
最近、「2025年問題」という言葉をよく耳にするようになりました。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になることで、医療や介護の需要が急激に増加するという問題です。
この話を聞いて、ふと思ったのが「これって、今のこども達にとっても他人事じゃないよな」ということでした。なぜなら、団塊の世代というのは、現在の児童生徒にとって祖父祖母の世代にあたるからです。
## フレイルという状態について知っていますか
2025年問題を考える上で、「フレイル」という概念を知っておくことが大切だと思います。フレイルとは、健康と要介護の間にある虚弱な状態のことを指します。
完全に健康でもないけれど、介護が必要というほどでもない。そんな微妙な状態がフレイルです。このフレイル状態をどう予防し、改善していくかが、2025年問題の鍵を握っているのではないでしょうか。
フレイルには3つの側面があると言われています。身体の健康、心の健康、そして社会参加です。体力の低下だけでなく、気持ちの落ち込みや社会とのつながりの希薄化も、フレイル状態を引き起こす要因になるということです。
## 医療リソースの逼迫が現役世代にも影響する
高齢者の健康状態が悪化すると、当然ながら医療リソースが逼迫します。病院のベッドが足りない、医師や看護師が不足する、医療費が膨らむ。そうした状況は、高齢者だけの問題ではありません。
現役世代も病気になったときに適切な医療を受けられなくなる可能性があります。また、医療費の増大は税負担や保険料の増加という形で、働く世代に重くのしかかってきます。
つまり、祖父祖母世代の健康状態は、孫の世代の生活にも直接的な影響を与えるということなんです。
## こども達からのメッセージが効果的かもしれない
ここで一つの仮説が浮かんできました。高齢者の健康増進を促すために、孫の世代からアプローチするのは効果的なのではないかということです。
大人から「健康に気をつけてください」と言われるより、孫から「おじいちゃん、おばあちゃん、元気でいてね」と言われる方が、心に響くのではないでしょうか。特に心の健康や社会参加という側面において、家族とのつながりは大きな意味を持つはずです。
こども達が祖父祖母の健康に関心を持ち、一緒に散歩をしたり、電話で話したり、健康的な生活を一緒に考えたりする。そうした日常的な関わりが、フレイル予防につながる可能性があります。
## 世代を超えた健康づくりという視点
2025年問題を「高齢者の問題」として捉えるのではなく、「世代を超えた健康づくりの問題」として考えてみると、また違った解決策が見えてくるかもしれません。
こども達にとっても、祖父祖母の健康について考えることは、自分自身の将来の健康について考える良い機会になります。健康的な生活習慣や、家族とのつながりの大切さを学ぶことができるでしょう。
## まとめ
2025年問題は確かに深刻な社会課題です。しかし、それを解決するヒントは、案外身近なところにあるのかもしれません。
孫からおじいちゃん・おばあちゃんへの「健康でいて」というメッセージ。そんなシンプルなコミュニケーションが、フレイル予防や医療リソースの効率的な活用につながる可能性があります。
世代を超えた健康づくりという視点で、この問題に取り組んでいくことが大切なのではないでしょうか。