情報発信を生業としている方々であれば、
私が紹介するまでもなく、既に手に取られていることと思います。
今回紹介しますのは、DeNA社が実施していたキュレーション事業に関する、
第三者委員会による調査報告書。
全文は以下から参照可能です。
報告内容は300ページを超えており、
私もまだ掻い摘んで読んでいる程度の読解状況です。
全編の詳しい解説とかについては、
それこそキュレーターに任せるとして、
私が真っ先に読んだ、
「第10章 本問題の原因・背景分析」
「第11章 再発防止策の提言」
について、思うところを書いていこうと思います。
第10章及び第11章は、報告書の終章にあたります。
結論から先に読みたい私としては、
事業内容や問題調査の過程を記述している章をすっ飛ばして、
上の2つの章をまずは読むことにしました。
この2つの章だけで、情報発信者に対する教育教材として、
十分な「圧」があると思います。
小学生向けにリライトして、
小学校の夏休み前に「夏休みにYoutuberになろうとしている君たちへ」みたいな
プリントとして配ってもいいんじゃないでしょうか。
さて、無駄話はさておき。
「第10章 本問題の原因・背景分析」
ここでは、DeNA社がキュレーション事業へ新規参入するにあたり、
キュレーション事業に対する分析・議論が十分でなく、
事業リスクが適切に把握されていなかった。などの問題点が指摘されています。
他の章についてざっくり読んだ感じでは、
キュレーションメディアというプラットフォームを立ち上げながらも、
自身らも情報発信の一端を担うメディアとしての役割を果たそうとしつつ、
なおかつ発信している内容は、既にネット上に点在する、玉石混合の情報たち、
という、なかなかに迷走してたんだなぁと感じられるような動きをしているように見て取れました。
事業立ち上げの段階で、
「この事業が何者であり、何を成し遂げたいのか」
という部分について、組織的に共有がされていなかったことで、
リスクの把握がなされず、それに対する十分な対策を講じられず、
リスクが顕在化し、にも関わらず問題の発見が遅れ、
また、組織体制として、「自己修正」が働かなかった、といった結果になってしまった、と。
(これらは目次を見ながら大項目を切り貼りして文章にしています)
「第11章 再発防止策の提言」
この章において、DeNAにとっても、私にとっても、辛辣な問いが投げられています。
「永久ベンチャー」は免罪符ではない
DeNAは「永久ベンチャー」を標榜している、と報告書にあります。
組織の硬直化や意思決定の鈍化を防ぐ、というベンチャーマインドを持った企業であり続けること。
そういう思いや願いのもと、「永久ベンチャー」と謳っているので章。
しかし、報告書にある通り、「ベンチャーマインドを持った企業である」ことと
「成熟した企業である」ことは、二律背反の関係にはない、と考えます。
当ブログのタイトル「画面は開発中のものです」についても、
常に自らが開発の途上にあるという意図を込め、
そういう意味では「永久ベンチャー」に通じるものがあると思います。
だからこそ、今回投げられたこの言葉は、他人事とは思えません。
確かに、何をするにしても、誰でも最初は初心者です。
誰でも成長の途上にあると思います。
しかし「未だ完成していない存在である」ことを盾に、
「多少の失敗は周囲が大目に見てくれる」と、いつまでも甘えているわけにはいきません。
成長の途中にあるということは、ある程度は登ってこれたということです。
色々な支えがあって登れたことや、登ったことにより今居る位置について、
ある程度の役割というか、責任というか、そういうものが付随してくるものだと思います。
……さて、色々書いているうちにwelq問題の本筋からは外れてきた気がしますが。
まぁ、ざっくり、事業体制や事業マインドの問題であったと。
この報告書を気に、自身がこのブログを通じて何を成し得たいのか、再考しようと思いました。